2013年12月01日

株主利益の極大化を図る(3)

ここまで述べてきたように、株主からの要請にこたえる事は、ファイナンス機能が果たすべき役割の中でも特に重要である。しかし、企業の経営資源に対して権利を主張するものには、株主以外にも、顧客、従業員、サプライヤー、地域環境などがある。株主からの要請を、こういった株主以外からの要請に優先させるべきか否か、というのが三番目の問題だ。
繰り返しになるが、これらの間には必ずしも利害の対立が存在するわけではない。こういった利害関係者との関係を良好に保つことによって、企業の評判が高まり、ひいては長い目で見て収益性の向上につながるのである。しかし、道徳上の判断を伴う何らかの利益相反が生じる余地も残っている。株主利益の極大化といっても、それは経営者が日常生活で尊重している道徳や礼儀を考慮することを妨げるものではない、というのが私の考え方である。



Posted by financeman at 17:25│Comments(0)
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