2013年11月24日

株主利益の極大化を図る(2)

プロジェクトの収益率が株主が被るリスクと少なくとも釣り合っていなければ、「戦略」的プロジェクトといえども株主に利益をもたらすものとはいえない。これは暗黙の大前提である。財務的見地に立った問題提起を行うことは厄介な役目であるが、これは財務担当役員が果たすべき役割の中でもとりわけ重要なものといえる。他の幹部クラスのマネジャーたちの自己利益追及的な野心を食い止めることも、ときとして必要となるのである。
2つ目の問題はこれと関連している。財務上の尺度が企業全体の事業活動をいったいどの程度まで制約するべきか、という問題である。これに対する回答は実は1つではない。成功した企業でも、財務上の尺度が、経営陣の考え方に直接的な影響を及ぼしている場合もあれば、その影響が比較的弱いように見える場合もある。
しかし、たとえ財務上の尺度が完全に副次的役割に甘んじているように見える企業があったとしても、次のことはいえる。株主が十分な収益率を得られない場合には、株主が投資した資金は間違った使い方をされているわけであって、その結果株価は下落し、最終的には例えば株式公開買付(TOB)という形で何らかの行動を引き起こす事になるだろう。



Posted by financeman at 09:35│Comments(0)
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